高校生の地域課題プログラム、地域・教育魅力化プラットフォームとBYDが連携

 一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォームと株式会社BYDは9月18日、高校生が地域課題に取り組む「ふるさとイノベーションプログラム」第2期で連携すると発表した。全国の高校生から参加チームを募集し、活動資金と社会人メンターによる支援を提供する。

 応募できるのは高校1〜3年生の4〜6人で構成するチーム。学校をまたいで組むこともでき、「地域みらい留学」の参画校に所属する必要はない。約20チームを選び、1チーム当たり最大15万円の活動支援金を支給する。参加費は無料で、応募締め切りは10月10日。活動は11月から翌年3月まで、オンラインを中心に進める予定だ。

 プログラムの運営はBYDが担い、地域・教育魅力化プラットフォームは参画校のネットワークを通じて生徒らに案内する。昨年度は全国19校から約100人が参加したという。探究学習を地域での調査や企画の実践につなげる仕組みとして、塾の校外活動や学校との連携を考える際にも参考になる。

CodeCampKIDS、受講生向け「AI活用コース」を開始 既存のプログラミング授業に追加

 コードキャンプ株式会社は9月18日、小中学生向けプログラミングスクール「CodeCampKIDS」で、生成AIを学ぶオプション講座「AI活用コース」を新設したと発表した。提供開始日は9月1日。対象は既存の受講生で、直営教室と一部の教室で実施する。

 講座は全2回、計約180分。小学3年生から中学3年生程度を対象に、保護者の管理下でGeminiを使用する。前半は旅行計画や学習を題材に、AIへの質問の仕方と回答の確かめ方を学ぶ。後半はゲームや作品の企画、プログラミング、発表資料の作成にAIを使い、得た案を自分の作品にどう取り入れるかを考える。

 既存のプログラミング学習に生成AIの利用と検証を加えた講座である。塾や習い事教室にとっては、新たな学習内容を既存授業へ組み込む方法に加え、未成年の受講生がAIを使う際の管理方法も参考になる。

中教審部会、教員養成・免許制度の改革方針を整理 社会人の参入経路拡大も

 中央教育審議会の教員養成部会は9月17日、教員養成・採用・研修の制度改革に関する「審議のまとめ」を公表した。教員の質と人数を持続的に確保するため、免許取得時に必要な学習内容を再編し、社会人が教職に就く経路を広げる方向を示している。

 教職課程では、教育データ・AIを学習内容に位置付ける。学士を要件とする標準的な免許状については、大学での学びと教職を結び付ける「強み専門性」約20単位を授与要件とすることを基本方針とした。教員養成を担う大学と、採用・研修を担う教育委員会の連携も強める。

 社会人の参入では、特別免許状を授与しやすくする方策や、大学院の新たな教育課程を通じた免許取得を引き続き検討する。次期学習指導要領に向けた中学校の「情報・技術科」の指導者確保についても、新たな免許制度などを検討対象に挙げた。

 これらは審議段階の方針であり、免許要件や実施時期が確定したものではない。教員確保の方法と学校で求められる専門性がどう変わるかは、学校と協力する教育事業者にとっても注視すべき論点となる。

LoiLo、ロイロノートのAI機能で開発方針 提出物分析や教員による利用制御を構想

 株式会社LoiLoは9月18日、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」に加えるAI機能の開発方針を発表した。提出物の分析や教材作成を支える機能に加え、児童生徒がAIを使う場面を教員が制御する仕組みを検討する。方針は4つの柱からなる。提出物の要約・分析や既存教材からのテスト作成、Google Gemini、Microsoft Copilot、ChatGPTなど外部AIとの連携、アプリ内の対話型AI、児童生徒の利用を切り替える「AIロック」である。例えば提出物の分析では、クラス全体の考えや個々の理解度を把握しやすくすることを想定している。

 同社は、これらの機能を追加料金なしの基本機能として提供する予定だ。開発中の機能を授業で試し、課題を検証する実証校も募集する。一方、個別機能の提供時期や仕様は決まっておらず、現時点で一般提供を始めたわけではない。学校の授業支援アプリが、学習記録の整理からAI利用の管理まで担おうとする動きだ。塾にとっても、教材作成の省力化と、生徒にAIをいつ使わせるかという指導上の判断を考える材料となる。

多様な視点で未来拓く 長崎に全国の高校生ら160名集結

 全国35都道府県から高校生や教員らが長崎市に一堂に会し、地域や世代の違いを超えて未来の社会像を語り合う合宿型プログラム「MIRA-GE next(ミラッジネクスト)」の第2回が開催された。主催は一般社団法人エッジソン・マネジメント協会で、企業の社員らも交えた総勢約160名が参加し、多様な対話を通じて次世代に必要な共創力を養った。
 同プログラムの基礎となる多世代型ワークショップ「MIRA-GE」は、未来と現実をつなぐ意を込めて2024年から全国各地で展開され、これまで累計24回にわたる開催で延べ1500名以上が参加してきた。参加者からより深く語り合う場を求める声が高まったことを受け、2025年に長崎で初の合宿を開催。2年目となった今回は公益財団法人日本財団の助成事業に採択され、生徒の交通費や宿泊費などの負担を軽減することで、地域による参加機会の不平等を抑えた展開が可能となった。
 会場の出島メッセ長崎には、全国41校から選ばれた高校生と教員計124名が集結。開催地の長崎は歴史的に異文化が交錯し発展してきた地域であり、多様性と共創を学ぶ場として選ばれた。日程は2026年7月26日から29日までの4日間で、参加者は平和や地方創生、テクノロジーといった現代的課題をテーマに議論を重ねた。
 期間中は、長崎原爆資料館や平和公園を訪れる現地調査をはじめ、社会人から働く意義を聞き取るセッションや、各自が関心を持つ課題を提示して議論の仲間を募る催しなど、多彩な工程が実施された。また、少人数グループで毎日の振り返りを実施し、自身の思考の深掘りや強みの再確認に取り組む様子が見られた。普段は接点のない他県の同世代や大人との交流は、自らの視野を広げる貴重な体験となった。
 主催側は、産官学が連携して若者の可能性を長期的視点で育む取り組みを「青田創り」と位置づけ、今後も本合宿を年間活動の集大成として継続する方針だ。来年には全47都道府県からの参加を目指し、支援の輪を広げていく構えである。

子育て世帯の中古住宅購入支援を強化「フラット35」金利優遇拡充へ 国交省

 国土交通省は、最長35年の長期固定金利型住宅ローン「フラット35」において、子育て中の世帯が中古住宅を取得する際の金利引き下げ措置を強化する方針を固めた。住宅価格の高騰に加え、住宅ローンの金利上昇傾向が続くなか、子育て世帯による住宅購入の負担感を軽減し、安定した居住環境の確保を支援することが狙いだ。同省は来年度の2027年度予算概算要求に290億円の必要経費を盛り込んだ。
「フラット35」は、独立行政法人の住宅金融支援機構が民間の金融機関と提携して資金を融資する仕組みで、適用される金利は長期金利の動向に連動する。2026年9月時点における最低金利は年3・460%に達しており、制度改正が実施された2017年10月1日以降で最高水準となっている。金利の先高感が強まるなか、子育て世帯の家計における住宅費用の抑制が急務となっている。
 現行の支援制度では、子供の人数に応じて当初5年間の金利を引き下げる「子育てプラス」や、質の高い中古住宅の購入時に適用される「中古プラス」といった優遇策が用意されている。これら複数の制度を併用することにより、借入当初の5年間は最大で1%分の金利優遇を受けることが可能だ。引き下げ幅が1%を超える部分については、6年目から10年目までの金利引き下げに充てられる。
 今回の拡充策において、国交省は1%という金利引き下げ上限の枠組み自体は維持しつつ、子育て世帯向けや中古住宅向けの要件見直しや対象の拡大を進める考えだ。具体的な適用条件や優遇幅の調整といった詳細については、26年末に向けて検討を重ね、来年度からの制度運用に向けた整理を行う。

「アート思考」を社会の実践へ 研究機関が手法を公開歴史に学ぶ再現可能な教育を提案

 組織行動科学の研究・教育開発を行うリクエスト(東京都新宿区)は、芸術の歴史と実践に基づく学習提案「アート思考を社会の誰もが使える実践へ」を取りまとめ、全文のPDFファイルおよび10点の図解資料を無料で公開した。
 同社は980社、33万人を超える働く人のデータを基盤に研究を重ねている。今回の発表では、アート思考を特定の才能や感覚(センス)によるものとせず、誰もが学び、試すことができる再現可能な方法として整理した。
 資料は全8部21章からなり、付録5種や参照資料34件で構成される。過去の芸術史における工房での学習や協働体制、山本鼎による美術教育活動などを分析し、表現を支えた環境や技能の継承過程を検証した。その上で、描く、話す、動かすといった多様な表現手段を選べる仕組みや、不参加や中断を選択できる権利など、学習に参加するための具体的な条件を示している。
 さらに、言語化しにくい気づきや試行錯誤の経過を記録する様式を整備し、個人の経験を他者に共有・継承できる仕組みを提示した。広まりを見せるAI技術については作業補助として位置づけ、目的の問い直しや事実確認といった人間ならではの判断機会を確保することの大切さを挙げている。
 才能の有無に左右されず、社会の中で学びを深める手法として、教育現場や各種組織での応用が期待される。

千葉豪雨、珍しい「スコールライン型」の長時間停滞 気象研究所がメカニズム解析

 気象庁気象研究所は9月15日、先月発生した千葉豪雨について詳しいメカニズムを解析し、通常は停滞しない「スコールライン型」と呼ばれる積乱雲のまとまりが、長時間にわたって房総半島付近に停滞する珍しい現象だったことを明らかにした。

 スコールライン型は、積乱雲が降らせた雨によって生じた冷気が前方へ広がり、その先端で暖かく湿った空気を押し上げることで、新たな積乱雲が次々と発達する現象。通常は冷気の進行とともに強い雨のエリアも速い速度で移動するが、今回の千葉豪雨では雨雲のまとまりが長時間にわたって停滞した。
 気象研究所によると、今回は冷気が雨雲のまとまりを東へ押し進める一方、太平洋から暖かく湿った東風が吹き込み、両者が互いに押し合う状態となった。このため、積乱雲のまとまりの移動速度は「ランニング以下」にまで遅くなったという。
 スコールライン型は非常に発達した積乱雲を伴い、激しい雨をもたらすのが特徴。千葉豪雨では積乱雲が上空15キロ以上に達していた。さらに、雨雲の北側では上昇気流を局地的に強める渦も発生しており、特に強い雨をもたらした一因になったとみられている。

法科大学院等特別委員会、9月29日に開催 法曹コースなどを議論

 文部科学省は9月17日、中央教育審議会大学分科会の法科大学院等特別委員会を29日午後3時からオンラインで開くと発表した。議題は令和8年度の連携法曹基礎課程(法曹コース)と、大学分科会における新たな評価制度の議論など。会議の資料は28日をめどに文科省のウェブサイトへ掲載する予定だ。

 現時点で公表されているのは開催案内であり、法曹コースの変更内容や新たな評価制度の具体案は示されていない。会議は文科省の専用チャンネルでライブ配信される予定となっている。

 法学系への進学を希望する生徒を支える教育事業者にとって、法曹コースは継続して確認したい大学政策の一つだ。今回の案内だけを制度変更として受け止めず、まず配布資料で何が提案されるかを確認し、会議後の議論と区別して進路情報に反映する必要がある。

アイフル、資格取得支援に「Monoxer」を試験導入 学習状況を基に社員を支援

 モノグサ株式会社は9月17日、アイフル株式会社が社員の国家資格「貸金業務取扱主任者」の取得支援に、学習プラットフォーム「Monoxer」を試験導入したと発表した。対象は令和8年度の資格試験を受ける予定の社員約150人。過去の試験問題を基に作成した教材を配信する。

 アイフルはこれまでも書籍購入補助やeラーニングを提供してきたが、社員ごとの学習進捗や知識の定着状況を把握しにくい課題があったという。今回の試験導入では、学習データを管理側が確認し、支援が必要な社員への声掛けなどに活用する。11月に予定される試験の後、学習状況と試験結果の関係を分析して効果を検証する方針だ。

 学習履歴に応じて指導や働きかけを変える手法は、塾の教室運営とも共通する。今回の事例は、教育向けに使われる学習技術が企業の資格研修にも展開する動きとして注目される。一方、資格取得率などの成果はまだ示されておらず、導入効果の判断には検証結果を待つ必要がある。