Category: 塾ニュース

学研、中国エリア進出 白石学習院を完全子会社化

 学研ホールディングス傘下の学研教育ホールディングスは3月3日、広島県を拠点とする進学塾・白石学習院の発行済株式を100%取得し、2026年3月31日付で同社をグループ化すると発表した。

 白石学習院は1975年創業の地域密着型進学塾で、広島市内に12校舎を展開。中学受験を中心に高い合格実績と指導ノウハウを有し、「面倒見の良さ」と担任制によるきめ細かな指導体制を強みとしてきた。

 今回のグループ化により、学研グループはこれまで未進出であった中国エリアにおいて、初の進学塾事業基盤を確立する。これにより、同エリアでの売上・利益の拡大を図るとともに、全国的な教育事業ポートフォリオの強化を進める方針だ。

 また、白石学習院が長年培ってきた中学受験指導のノウハウや合格メソッドをグループ内で共有することで、各地域の塾事業における競争力強化を図る。さらに、学研グループが保有する教材や学力診断、教育コンテンツとの融合により、学習サービスの高度化と顧客価値の向上を目指すとしている。

 近年、教育業界では少子化や人材不足を背景に、地域塾のグループ化やM&Aが加速している。今回の事例も、地域に根差した有力塾を取り込みながら、広域での事業展開とシナジー創出を狙う動きの一環といえる。

 学研グループは、優良塾との連携を通じて教育サービスの質と規模の両面で成長を図る方針を掲げており、今後も同様の戦略的投資が続く可能性がある。

幼児の主体性育む英語環境 港区の園が1周年、企業連携も強化

 東京都港区芝浦3丁目19-17に所在する認可外保育施設「Pikkas International Preschool」が、2026年4月に開園から1周年を迎える。同園は、子供自身が本来備えている成長する力を信じ、安心感と挑戦が共存する教育環境の構築を理念に掲げている。
 運営を行う株式会社サステナブルエデュケーションによると、この1年間は遊びを通じた主体的な学びの場を提供することに注力してきた。教育手法にはフィンランド教育のほか、モンテッソーリやレッジョエミリア、イエナプラン、シュタイナー教育といった世界各国の哲学が取り入れられている。英語をコミュニケーションの道具と位置付け、家庭での生活が日本語中心の園児でも自然と言語を習得できるよう、日常的にオールイングリッシュの環境が維持されている。
 具体的な活動としては、季節に応じた自然散策や農園での水やり、自然素材を用いたアート活動など、五感を活用した学びを重視している。また、地域社会とのつながりも深めており、近隣ホテルでの行事や、ウクライナからのゲストを招いた交流、元アナウンサーによる読み聞かせなど、多様な価値観に触れる機会を設けてきた。これにより、子供たちが地域の一員としての居場所を実感する契機となっている。
 2年目となる2026年度からは、外部組織との連携をさらに拡大させる方針だ。多文化共生を推進する教育機関や、ウェルビーイングを重視するグローバル企業、地域団体との共同プロジェクトを通じて、子供が社会に触れる機会を創出する。これにより、幼児期の英語環境の意義や、主体性を支える教育の在り方について、社会全体の理解を深めることを目指している。
 同園では現在、2歳から5歳児クラスを対象にウェイティング登録や若干名の募集を受け付けている。次年度の入園説明会は、2026年の夏頃から開始される予定である。

花粉症のオンライン診療に「4割」が意欲 タイパや利便性が普及の鍵に

 ウェザーニュースは3月14日、本格的なスギ花粉の飛散シーズンに合わせ、花粉症の生活実態や対策に関する調査結果を公表した。調査によると、花粉症の治療においてオンライン診療を「受けてみたい」と回答した人は39パーセントに達し、約4割の人が遠隔での診察に前向きな姿勢を示していることが判明した。
 オンライン診療への意欲が高い理由としては、通院にかかる時間や待ち時間を削減できる「タイムパフォーマンス(タイパ)」の良さが挙げられている。特に、仕事や家事で多忙な層にとって、スマートフォン一つで受診から薬の処方まで完結できる利便性が、導入を検討する大きな決め手となっている。

 受診を希望する理由(複数回答)では、「待ち時間がなくて済む」が68パーセントと最多で、「通院の移動負担がない(52パーセント)」が続いた。一方で、60代以上の受診意欲は22パーセントにとどまっており、デジタル活用の進展には世代間で依然として30ポイント近い開きがある。
 薬の使用実態については、「毎日使用している」が42・8パーセントで最も多く、計画的な対策が浸透している。また、今年「薬を変えた」と答えた人は18パーセントで、そのうち24パーセントが「昨年の薬が効かなかった」ことを理由に挙げた。より高い効果や眠気の少なさを求め、治療内容を見直す動きが見られる。

国際女性デー調査 日本の男女平等進展度は世界最下位

 イプソスは、3月8日の国際女性デーに際し、世界29か国を対象としたジェンダー平等に関する意識調査の結果を公表した。自国において「男女平等な権利の付与が十分に進んだ」と考える人の割合は、日本が28パーセントで調査対象国の中で最下位となった。グローバル平均が52パーセントに達しているのと比較し、日本の進展に対する認識の低さが際立つ結果となっている。

 調査結果によると、日本国内でも男女間で認識の差が見られる。「十分に進んでいる」と回答した男性は35パーセントに対し、女性は21パーセントにとどまった。また、「政府や企業で責任ある地位に就く女性が増えれば状況が改善する」と考える人は、グローバル平均の60パーセントを下回るものの、日本でも47パーセントに達しており、女性リーダーの増加に期待を寄せる層が約半数を占めている。
 将来に対する見通しについては、若い世代への楽観視が男性よりも女性に対して強い傾向が出ている。「現在の若い女性は親世代より良い生活を送れる」と考える日本人は40パーセントだったのに対し、「若い男性が親世代より良い生活を送れる」と答えた人は21パーセントにすぎなかった。この傾向はグローバル全体でも共通しており、男性の未来に対する閉塞感が浮き彫りとなっている。
 一方で、ジェンダー平等の推進に伴う反動も見られる。世界29か国の男性の54パーセントが「平等実現のために男性が過剰な負担を負っている」と感じており、52パーセントの男性が「女性の平等推進が過度に進み、男性が差別されている」と同意している。日本において自らを「フェミニスト」と定義する人は14パーセント(女性15パーセント、男性14パーセント)にとどまっており、思想としての定着度は依然として低い水準にある。

沿岸の海面上昇、想定より最大90センチ高く 「方法論の盲点」で過小評価か

 世界の沿岸部における海面が、従来の予測モデルよりも大幅に高く、一部地域では約90センチも上回っていることが、オランダのワーゲニンゲン大学などの研究チームによる調査で明らかになった。5日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載されたこの研究は、世界が海岸線の消失速度とその脅威を過小評価していると警鐘を鳴らしている。

 研究チームは、過去15年間に発表された海面上昇に関する査読済み論文385件を分析した。その結果、研究の90パーセントが実際の観測データではなく、地球の重力場や自転のみを利用した推計モデルに基づいていることが判明した。このモデルは潮汐、風、海流、海水温、塩分濃度といった複雑な要因を考慮しておらず、フィリップ・ミンデルハウト准教授はこれを「方法論上の盲点」と指摘している。

ポケモン誕生30周年、科学界に多大な影響 新種命名や教育への応用も

 世界的な権威を持つ学術誌「Nature」は、誕生30周年を迎えた「ポケットモンスター」が科学界に与えた影響を振り返る特集記事を掲載した。1996年に任天堂のゲームボーイ用ソフトとして発売されて以来、ポケモンは生態学や進化生物学、教育、さらには学術出版の健全性など、多岐にわたる分野で研究者たちのインスピレーションの源となっている。

 同誌によると、幼少期のポケモン体験が科学者としてのキャリアに直結した例は少なくない。カナダのゲルフ大学の研究者、スペンサー・モンクトン氏は、ポケモンを収集し特徴ごとに分類するプロセスを「分類学者の仕事そのもの」と指摘。実際にチリで発見した新種のミツバチを、ポケモンの「リザードン(英名:Charizard)」にちなんで「Chilicola charizard」と命名した事例を紹介している。
 古生物学の分野でもその存在感は大きい。米シカゴのフィールド博物館では、翼竜をモデルにした「プテラ」や始祖鳥から着想を得た「アーケオス」など、ポケモンとそのモデルとなった実際の化石を対比させる企画展が予定されている。現実の翼竜の中には、プテラにちなんで「Aerodactylus」と名付けられた属が実在するなど、学名への影響も顕著だ。
 教育面では、英国の児童が地元の野生生物よりもポケモンの名前を多く記憶しているという調査結果を受け、そのゲーム性を応用した生態系学習カードゲーム「Phylo」が開発された。この手法は、従来のスライド授業よりも生物種の記憶定着率が高いことが実証されている。
 また、学術界の課題である「ハゲタカジャーナル(粗悪な学術誌)」の告発にもポケモンの世界観が利用された。台湾大学のマタン・シェロミ氏は、「オーキド博士」などの架空の共著者を用いた偽論文を投稿。ずさんな審査で公開に至った実態を暴くことに成功した。30年を経て、ポケモンは単なる娯楽を超え、科学の発展と健全性を支える一助となっている。

学研、エニバを完全子会社化 高専教育で事業拡大へ

 学研ホールディングス傘下の学研教育ホールディングスは、エニバの発行済み株式を100%取得し、3月17日付でグループ化した。高専向け教育事業を軸に、理系人材育成ビジネスの強化を図る。

 エニバは高専受験に特化した教育サービスを展開し、オンライン個別指導やSNSを活用した集客モデルに強みを持つ。合格率は97.8%と高水準で、全国の高専すべてに合格実績を有する。

 今回の買収により、学研は高専市場へ即時参入する。エニバのブランドや顧客基盤を活用し、高付加価値のオンライン教育や継続指導を拡充。収益源の多様化と顧客層の拡大を狙う。

 また、エニバが展開する教育コンテンツとSNS運用を取り込み、「教育×メディア」の一体型モデルを構築。グループ塾のマーケティングやブランド力向上への波及効果も見込む。

 さらに、学研の教材や通信教育、進路支援ノウハウと融合し、受験からキャリアまでを一貫して支援する「理系人材育成エコシステム」の確立を目指す。

ECCベストワン、駿台の映像講座「駿台Diverse」導入 全国200校で高校生向け学習支援を強化

 ECCが運営する個別指導塾「ECCベストワン」は、高校生の成績向上と志望校合格を目的に、駿台予備学校が開発した映像講座「駿台Diverse」を2026年4月から導入する。対象は全国約200校の教室で、個別指導と映像授業を組み合わせた学習体制の強化を図る。

 「駿台Diverse」は、駿台グループのDiversity Studyが提供する高校生向け大学進学指導サービスで、短時間の映像授業とアウトプットを組み合わせた学習サイクルが特徴。15分の映像授業で要点を学び、その後に要点書き出しや確認テストを行うことで記憶定着を図る「リトリーバル・プラクティス(想起練習)」を採用している。1回の授業ではこのサイクルを2~3回繰り返し、効率的に基礎力を身につける仕組みだ。

 ECCベストワンでは、この映像授業に加えて、各教室の学校長などが担うコーチによる面談を定期的に実施。学習進捗の確認や課題の解決を支援するほか、成績データの分析による学習コーチングや出願校決定のサポートも行う。オンラインでの質問対応なども用意し、映像学習の弱点を補完する。

 同塾は「自分で学ぶための個別指導塾」をコンセプトに、小学生から高校生までを対象とした完全担任制の個別指導を展開。全国204校(2026年3月時点)で5教科に対応し、生徒の状況や性格に応じた学習プランを個別に設計する指導を特徴としている。今回の導入により、映像による効率的なインプットと個別指導による理解深化を組み合わせ、学力向上と顧客満足度の向上を目指す。

養老孟司氏と「AI養老先生」が客員教授に 東京工科大、AIアバター活用の教育研究へ

 東京工科大学は3月1日、解剖学者で東京大学名誉教授の養老孟司氏と、同氏の知識や思想をもとに開発されたAIデジタルヒューマン「AI養老先生」を客員教授に任命した。人間の研究者とAIアバターが同時に大学教員に就任する取り組みとなる。

 養老氏は1937年生まれの解剖学者で、東京大学医学部教授などを歴任。人体の構造や脳と身体の関係をテーマとした研究のほか、社会や自然観を論じる著作でも知られ、2003年に刊行した著書『バカの壁』はベストセラーとなった。

 一方、「AI養老先生」は養老氏の著書や発言などをもとにパーソナリティを学習したAIデジタルヒューマン。言語だけでなく、話し方や身振りなどの身体的特徴も再現した疑似人格として設計されている。開発は、養老氏が代表を務めるメタバース推進協議会、東京大学、NTTデータによる共同プロジェクトで進められた。

 同AIは2025年に開催された大阪・関西万博で初めて一般公開されている。

 AI教育の強化を掲げる東京工科大学では、AIアバターを教員として活用することで、AIの技術研究だけでなく、AI教員の役割や教育現場での活用可能性といった新たな課題の検証にもつなげる考え。具体的な教育・研究での活用方法については今後検討を進めるとしている。

大学の防災教育を議論 大学生協連が研究会、東日本大震災15年を機に

 全国大学生活協同組合連合会は3月2日、「学生の意識と行動に関する研究会」の第50回会合を東京都内の大学生協会館で開催した。テーマは「東日本大震災から15周年に改めて考える、大学による防災・減災・被災地支援の継続的取り組み」。会場とオンラインを併用するハイブリッド形式で実施され、大学関係者やメディア関係者など38人が参加した。

 研究会では、工学院大学建築学部まちづくり学科教授で防災減災教育センター長の村上正浩氏が講演。「TKK3大学連携プロジェクト 防災・減災・ボランティアを中心とした社会貢献教育の展開」と題し、大学における防災教育や被災地支援の取り組みを紹介した。

 TKK3大学連携プロジェクトは、東北福祉大学、工学院大学、神戸学院大学の3大学が連携して進める教育活動。東日本大震災以前から交流を行っており、震災後は学生ボランティアや防災教育の取り組みを継続している。建築系の学生が避難所で段ボールを加工して机や仕切りを作るなど、専門分野を生かした支援活動も紹介された。

 講演後には、大学生協の学生委員長による防災・減災の取り組み報告が行われ、会場やオンライン参加者を交えた討議が行われた。

 2026年は東日本大震災から15年、熊本地震から10年の節目にあたる。大学生協連は今後も広報活動などを通じ、防災・減災に関する取り組みの発信を強化するとともに、学生や教職員の関心を高める活動を進めていくとしている。