中高生向け「LINE質問・相談対応」、利用者の声を公表

中高生向け「LINE質問・相談対応」、利用者の声を公表
受験期の不安軽減・学習意欲向上に効果 “オンラインの第三の居場所”として機能

 特定非営利活動法人こどもの教育を支援する会(東京都千代田区、代表:石橋尚眞)は11月28日、中高生の学習や進路の悩みに応えるオンライン相談サービス「LINE 質問・相談対応」の利用者アンケート結果を公表した。受験期の不安軽減、学習継続の後押し、進路選択のサポートなど、多様なニーズに対応するオンライン支援の有効性が明らかになった。

■「孤独な受験期に味方がいた」
学習・受験・メンタル面まで幅広く寄せられた声
 アンケートは2025年3月から継続的に実施。回答者の多くが、匿名で気軽に相談できる仕組みが「不安の解消」「集中力の回復」「合格への後押し」に繋がったと回答した。寄せられた声には、学習面の具体的な成果だけでなく、心理的な安心感に関するものも目立つ。
「丁寧な回答に支えられた。第一志望に合格できた」(高校生・大阪)
「“できるわよ!”という一言が救いだった」(中学生・青森)
「難しい数学をわかりやすく説明してくれ、入試本番で役立った」(高校生・埼玉)
「塾なしの受験だったが、ここがなければ乗り切れなかった」(高校生・東京)
 特に、“自己肯定感が上がった” “前向きになれた”といった回答が多く、学習支援に加えて、メンタルサポートとしての機能が強く評価された。

■利用者は高校生が半数以上、受験期に利用集中
2025年度の利用者は11月時点で194名。
高校生が54%、特に高3生が21.1%ともっとも多く、受験期に利用が集中する傾向が顕著だった。
サービスは無料・匿名で利用でき、担当スタッフが24時間以内に個別返信する仕組み。
学習や進路にとどまらず、学校生活・家庭の悩み・人間関係などの相談にも対応している。
支援の流れを紹介する「サービス紹介マンガ」も公開し、利用のハードルを下げている。

■「理数系だけでなく家庭の悩みも」
オンラインの新たな“第三の居場所”として副代表理事で事業責任者の高木祥子氏は、サービスの現状を次のように語る。
「全国から昼夜問わず相談が届く。学びたい気持ちを持つ生徒の多さを感じる一方、家庭や人間関係の悩みも多い。今後も“不安に寄り添う場”として支援を続けたい」
 塾や学校とは異なる、“オンラインの第三の居場所”としての存在意義が広がっている。

■今後の展望:体制強化へ
アンケート結果を踏まえ、以下の取り組みを進める。
・相談対応の迅速化
・回答内容の質向上
・運営体制の拡充
・新規事業の立ち上げに関わる人材、ボランティアの募集
 支援活動はオンライン中心で、経験を問わず参加可能。学習支援や教育分野への関心を持つ人材を幅広く募っている。
募集ページ: https://activo.jp/users/107987

叡啓大学、全国初の“不登校生向け・平日おでかけポータルサイト”を学生が開発

叡啓大学、全国初の“不登校生向け・平日おでかけポータルサイト”を学生が開発
「家にも学校にも居場所がない」子どもの第三の居場所を可視化
学生による実践型研究が社会実装フェーズへ

 広島県公立大学法人・叡啓大学(広島市中区)で、日本初となる“不登校生のための平日おでかけポータルサイト”の開発が進んでいる。開発を手がけるのは同大学4年生の成毛侑瑠樺(なるげ・うるか)さん。卒業プロジェクトとして取り組むこのサービスは、学校にも家庭にも居場所を見出しにくい不登校の子どもたちが、安心して平日に外出できる第三の居場所へアクセスできるよう設計されている。
 不登校支援や学校外の学びが全国的に広がる中で、学生自らが研究成果を用い社会課題にアプローチする実践型の取り組みとして、教育関係者の注目を集めている。


■「外出したいと思った瞬間に行ける場所がない」
当事者調査で見えた“不登校と孤立”の構造的課題
成毛さんは、不登校の子どもや家族、支援者へのヒアリングを重ねる中で、
・平日の外出に伴う罪悪感
・周囲の視線への不安
・情報不足による“行き先のなさ”
といった心理的・構造的課題が浮き彫りになったという。


 主に支援団体や自治体の情報は点在しており、一般開放施設・図書館・公共スペース・大学など、平日でも利用できる「学外の居場所」が体系的に整理されていない現状があった。こうした課題を背景に、「子どもたちが“行こうと思えた瞬間”にアクセスできる仕組みをつくる」ことをテーマに、データ収集・分析・ユーザー調査を踏まえながらサービスの具体化を進めている。


■日本初のポータルサイト、特徴は“心理的ハードルの可視化”
 サイトでは、支援施設に限らず大学・企業スペース・図書館・オンライン居場所など、多様な拠点を一覧できる。特に、
・場所の雰囲気
・人目の気になりにくさ
・予約の要否
・利用可能時間
・初めて行く人のためのポイント
 など、不登校の子どもが外出判断に必要な「心理的負担を減らす情報」を整理して掲載する点が特徴だ。現在はNPO法人「教育の環」と連携し、約98か所の拠点を掲載予定としている。


■スケジュール:2026年3月に公開予定
 クラウドファンディングも実施中で、寄付者の声を反映しながら開発を進める。
【今後の予定】
〜2025年12月31日:クラウドファンディング実施、掲載拠点の収集
2026年1〜3月:取材・サイト制作
2026年2月23日:卒業プロジェクト研究成果として発表
2026年3月:ポータルサイト公開(卒業研究成果として発表)


■教育現場への示唆:不登校支援は“情報アクセス格差”の解消が鍵
 不登校児童生徒は約30万人となり過去最多を更新する中、学校外の学び・居場所をどう整備するかは各自治体・学校・塾にとって喫緊の課題だ。
 今回の取り組みは、教室以外の選択肢を可視化する。当事者が“罪悪感なく過ごせる平日の場づくり”を社会全体で支える。という新たな発想を提示している。
 特に教育委員会・学校・フリースクール・民間教育企業にとって、「どのようにして学校外の安心拠点を情報として届けるか」という視点は今後ますます重要になるだろう。

月刊私塾界2025年12月号(通巻536号)

巻頭言

 興味深い調査結果がある。博報堂生活総合研究所「若者調査」だ。1994年と2024年に19〜22歳の未婚男女を対象に、同一設計・同一質問で実施した時系列調査である。いつくか調査結果を拾ってみる。
「落ち込んだ時、一番そばにいてほしい相手」を父親、母親、同性/異性の一番の友達から一つ選ぶ項目。1994年の調査では、「異性の一番の友達」が55・9%と過半数を占めていたが、2024年には16・0%と40ポイント近く激減している。
 次に、「同性の一番親しい友達と知り合った時期」を聞いてみると、1994年、2024年調査ともに過半数を占めているのは「中学・高校時代」で変わらないが、「小学校入学前」と「小学校」を足した割合が19・6%から34・5%に大幅に上昇している。
 そして、友人関係が途切れる機会自体も減少している。その一つが中高一貫校の増加だ。1999年に制度変更があり、国公立の中高一貫校の設置が可能になったため、その数は急増した。制度が導入された初期はわずか17校しかなかったが、22年には全国で673校と約40倍にまで増加している。6年間という長い時間を固定化されたメンバーで過ごすため、友人関係の入れ替わりが起こりにくくなり、一時的ではない、深く永続的な絆が育まれやすくなった。
 次のような若者が現れているのかも。学習塾で同じクラスだったライバルと中高大と一緒に進む、など。我々は実に重要な役割を担っている。

(如己 一)

目次

  • 6 CatchUp1 個別指導iKUSHiN〝ライブ感〟を大切にしたい iKUSHiNが「メガスタto B」で挑む教師不足の課題解決
  • 8 CatchUp2 株式会社土佐塾 塾生保護者をファン化するアプリ 「FLENS School Manager」
  • 12 HOT TOPICS 第13回ニュース作文コンクール・東京の部表彰式
  • 14 塾長の決断(3) 株式会社fit group 代表 田尾 昭憲 氏 たくさんの縁に恵まれ社会で必要とされる塾へ
  • 16 挑む私学 海陽中等教育学校
  • 19 目次・巻頭言
  • 20 NEWS ARCHIVES
  • 50 千里の道も一歩から ~編集長備忘録~
  • 49 【特集①】 株式公開企業塾2026年 2・3月期中間決算を読む
  • 62 【特集②】 私塾界リーダーズフォーラム 2025A/W
  • 74 【特別企画】Yoreo Paritto
  • 76 Special Report 全国模擬授業大会 in 名古屋 2025 初の二冠誕生で歴史に新たな1ページが
  • 80 TOP LEADER Company TOP LEADER 年末スペシャル対談 教育の可能性を広げる“事業創造プラットフォーム” ベストコ×ユナイテッドが描く次の共創モデル 株式会社ベストコ × ユナイテッド株式会社
  • 92 企業研究(152) Hanji株式会社
  • 95 日本教育ペンクラブ・リレー寄稿(382)
  • 96 疾風の如く(196)子別指導塾 つなぐ(石川県)塾長 田端 孝寛 さん
  • 98 現代学習塾経営概論(33)
  • 100 For Whom the 塾 Tolls(52)
  • 102 自ら動き出すチームにする方法(135) 中谷彰宏
  • 104 One Target(12) 的場一成
  • 106 PAPER REVIEW(21) 浅見貴則
  • 108 シン・ジュクジン(49)
  • 109 芸術見聞録(149)
  • 110 わが子、就学中(57)
  • 111 塾長の机
  • 112 為田裕行の「教育ICT行」(129)
  • 113 10¹⁵ PETA(56)
  • 114 キクチカラ(12) 菊地香江
  • 115 Opinion from School(77)
  • 116 林明夫の「歩きながら考える」(244)
  • 118 塾ソムリエの講師研修指南 西村則康(名門指導会代表 塾ソムリエ)(64)
  • 120 私塾界インサイト(93)
  • 124 塾はどこから来たか、塾は何ものか、塾はどこへ行くのか―そして私(49)
  • 126 咲かせよ桜(129) 小林哲夫
  • 130 論点2025(12)教育の未来を読み解く全国学力・学習状況調査(経年変化分析調査)
  • 134 編集後記
  • 136 Book Review
  • 138 塾長のためのガジェット講座

くら寿司×海と日本プロジェクト、島根県内4小学校で出張授業

回転寿司を題材にSDGs・海洋資源保全を学ぶ 児童342人が参加

 一般社団法人海と日本プロジェクトinしまねは、くら寿司株式会社と連携し、海洋環境や食品ロスについて考える出張授業「お寿司で学ぶSDGs」を松江市内の4小学校で開催した。11月13日の宍道小学校を皮切りに、乃木小学校、美保関小学校、大庭小学校で実施され、計342人の児童が参加した。

 本プログラムは、回転寿司を題材に海洋資源問題を身近に捉えてもらうことを目的とした全国的な人気授業で、島根県での開催は今回が初めて。授業では、海洋汚染や気候変動、漁業従事者の減少など、地域の海が抱える課題を紹介。隠岐島前で実施された体験学習「隠岐めしと歴史 探険隊」の映像も上映し、県内の漁業の現状を伝えた。

 また、未来に魚のお寿司が食べられなくなる可能性や、低利用魚(未利用魚)活用の現状を紹介。児童が模型の魚を触りながら分類体験を行うなど、五感で学べる内容となった。さらに、くら寿司が開発した「お寿司屋さん体験ゲーム」を通じ、回転寿司で起こり得る過剰提供や廃棄を疑似体験し、食品ロスへの理解を深めた。

 授業の終盤では、低利用魚をおいしく食べる工夫や、食品廃棄削減に向けたアイデアをグループで検討し、児童が発表。「給食を残さず食べる」「余った寿司を動物のエサに活用する」など、身近な行動につながる意見が寄せられた。

 参加した児童からは「魚が食べられなくなる未来はこわい」「食品ロスが身近にあると知った」といった声が上がった。くら寿司広報担当者は「身近な回転寿司を切り口に、SDGsを自分ごととして考えるきっかけにしてほしい」と語った。

 海と日本プロジェクトinしまねは、今後も行政・企業・教育機関と連携し、海洋環境保全への理解促進と行動喚起に取り組む方針だ。

StudyCastとカロリーメイト、受験生応援で今年も共同企画

オンライン自習室や生成AI時代の親子支援コンテンツを公開

 株式会社ベネッセコーポレーション(岡山市)は11月26日、中高生向け学習管理アプリ「StudyCast(スタディキャスト)」と大塚製薬のバランス栄養食「カロリーメイト」による受験生・保護者応援キャンペーンを開始した。昨年に続き2回目の取り組みで、入試本番期を迎える受験生の学習環境づくりと心理的支援を目的とする。

 キャンペーンでは、昨年好評だったオンライン上の自習室「カロリーメイト 没頭ルーム」をStudyCast内に設置。11月26日から2026年3月31日まで開放し、StudyCast公認の勉強系YouTuberと共に学習できる「スタキャス勉強会」も開催する。

 また、生成AIが学習に浸透する現状を踏まえ、教育系YouTuberの葉一氏と、ベネッセ i-キャリアの村山和生主席研究員による特別対談記事を公開。中高生のAI活用状況や、受験期の親子コミュニケーションのあり方をテーマに考察する。

 さらに、受験生と保護者を対象に、抽選で合計200名に「カロリーメイト スペシャルボックス」が当たるプレゼント企画も実施する。

 ベネッセがStudyCast利用者を対象に行った調査では、中高生の生成AI利用は「分からない問題の解説依頼」が最多で、続いて「相談・雑談相手として活用」が挙がった。一方、受験期に保護者から嬉しかった支援として「食事のサポート」「見守る姿勢」など、従来型の関わりが多く寄せられた。テクノロジー活用が進むなかでも、親子の伴走の重要性は変わらないことが示唆される。

 カロリーメイトでは、生成AI時代の受験を描いた新CM「いちばんの味方」篇を公開し、キャンペーンと連動したメッセージ発信を行っている。

麻布大学附属高、Monoxer活用で学力向上 導入1年で全国平均を上回る成果

教員業務の効率化にも寄与、国語の基礎定着をデータで支援

 モノグサ株式会社(東京都千代田区)が提供する記憶定着プラットフォーム「Monoxer(モノグサ)」を活用した学習支援により、麻布大学附属高等学校(神奈川県相模原市)で生徒の学力向上と教員の業務効率化が進んでいる。導入から約1年で、全国模試の古文・漢字分野における平均点が全国水準を上回る結果が確認された。

暗記学習の継続に課題、生徒の声が導入契機に

 同校では、大学進学を見据えた国語の語彙力強化に取り組んできたが、「暗記学習が続かない」「取り組み方が分からない」といった生徒の声が多く、学習習慣の定着が課題となっていた。授業・小テスト中心の運用では、教員側にも作問や採点、集計の負担が生じていた。

授業内5分活用で“当たり前化” 学習環境を設計

 2023年度からMonoxerを導入し、授業内に5分間の取り組み時間を設定。自習の入口としても位置づけ、「まずMonoxerをやる」文化を形成した。漢字学習では、教員が負荷を事前検証し、継続できる量に調整。生徒の進捗はリアクション機能で可視化し、学習評価にもデータを反映した。

学力向上と教員業務改善の両立

 導入後、国語分野の模試成績が向上しただけでなく、学習状況が数値化されることで生徒の競争意識が自然に醸成。小テスト作成・採点の自動化により教員の負担が軽減し、フィードバックの質向上にもつながったという。評価基準の透明性向上も副次的な成果となった。

「義務から楽しさへ」—現場教員が期待

 国語科の横山麻美教諭は「基礎反復はもっと負担なく進められる。土台が整えば、授業で本来伝えたい面白さに時間を割ける」と述べ、学校全体で学びの意欲を高める環境づくりに期待を示した。

 モノグサは今後も、記憶定着支援の機能開発と学校現場への導入支援を進めるとしている。

Study Valley、高校探究データを活用した進路支援サービス

「TimeTact探究スプリットステップ」提供開始

—— 非認知能力・社会人基礎力を可視化し、大学生へ最適な長期インターンをAI推薦

 探究学習プラットフォーム「TimeTact」を展開する株式会社Study Valley(東京都江戸川区)は11月25日、高校時代の探究活動で蓄積された学習ログを活用し、大学生に適した長期インターンシップをマッチングする新サービス「TimeTact探究スプリットステップ」をリリースした。高校卒業後もアカウントを維持でき、「キャリアパスポート」として活用できる点が特徴だ。

 同社は、探究学習で育まれる「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」などの非認知能力が、経済産業省が定義する「社会人基礎力」と深く結びつく点に着目。しかし現状では、その能力が入試以外で十分に評価されず、大学生活・就職活動に活用されていない課題があった。

 一方、大学生の多くがアルバイトを経験するものの、職種選択の基準は「時給」「自宅からの距離」に偏り、将来のキャリア形成と結びつかないケースが多い。産業構造の変化により、学生自身がスキルと職業の接続を見通しづらくなっていることも背景にある。

■ 高校探究データを「社会で使える資産」に

「TimeTact探究スプリットステップ」は次の機能を備える。

・探究活動ログ・自己評価・協働データなどから、社会人基礎力を可視化
・AIが興味関心・強みに基づき、最適なインターン・仕事を推薦
・高校〜大学〜就職活動まで、学習・成長記録を一元管理
・企業側も「探究経験者」に早期アプローチ可能

 これにより、大学生は能力を活かせる実務経験を早期に得られ、企業側も主体性・協働力を備えた人材とのマッチングが可能になる。

■ 代表コメント

Study Valley代表取締役・田中悠樹氏は次のように述べている。

「高校時代の探究は、未来を切り拓く力そのものです。しかしこれまでは、卒業と同時に蓄積された学びが途切れていました。今回の取り組みは、その努力を社会につなぐための“橋”です。進路選択のミスマッチを防ぎ、納得度の高いキャリア形成を支援していきます」

■ TimeTactとは

TimeTactは、学校現場における探究学習を設計・記録・評価できるプラットフォーム。教員の負担軽減と個別最適な学びの実現を狙う。2022年以降、全国の高校で導入が進む。

学習塾経営者59名の“リアルな悩み”を可視化 塾エイドがアンケート全文を公開

「集客」「人材」「運営」の3分野で課題が顕在化

 全国の学習塾経営者が加盟するボランタリーチェーン「塾エイド」(運営:株式会社インサイト・ジャパン、代表取締役社長 鴨志田順)は、塾運営の課題を把握するため実施した「塾運営に関するお悩みアンケート」の全文を公開した。調査は2025年10月にWEB方式で行われ、全国59名の塾経営者が回答した。

■変化する教育環境、複雑化する塾の課題

 少子化や教育ニーズの多様化などにより、集客や講師確保、経営の安定化といった課題は複雑化している。塾エイドには日々、経営者から多様な相談が寄せられており、今回の調査は現場の実態を数値として可視化する目的で実施した。

■【集客】問合せの伸び悩みが6割 効果検証できていない塾が7割超

集客分野では、多くの塾が厳しい状況に直面している。

  • 「問合せ数が伸び悩んでいる」……66.1%
  • 「販促の効果検証ができていない」……74.6%
  • 「競合塾との差別化ができていない」……33.9%

 現在力を入れている施策は「ポスティング」「紹介」「校門前配布」が上位。一方、今後取り組みたい施策では「口コミ」「LINE」「YouTube」など、SNS・動画施策への関心が高まっている。

■【人材】講師の採用難が4割 評価制度の曖昧さも課題

採用・育成に関する課題では、次の項目が上位を占めた。

  • 「講師への評価処遇制度が曖昧」……39.0%
  • 「授業・面談の質にばらつき」……37.3%
  • 「講師採用が難航」……35.6%

 一方、事務スタッフの採用難については「困っていない」とする回答が多数派となった。

■【運営】“5年後が描けない”が最多 バックオフィスの煩雑化も

運営面では将来への不透明感が顕著となった。

  • 「5年後の経営ビジョンが描けていない」……62.7%
  • 「アンケート活用ができていない」……32.2%
  • 「バックオフィス業務が煩雑化」……28.8%

 生徒・保護者満足度の低下については「感じていない」塾が多数を占めた。

■塾エイド、情報集約と仕入れ支援で経営をサポート

 塾エイドは、教育現場が本来注力すべき「指導」に集中できる環境づくりを目的に、情報発信やセミナー、会員制コミュニティ「JUKU Plus!」などを展開している。今回の調査結果は、各種サービスの開発や課題解決のための取り組みに反映される。

 直近では「AI活用」「学習環境」「業界課題」をテーマに専門家を招いた「塾エイドフォーラム2025」を開催。アーカイブを含む各種セミナー情報は公式HPから閲覧できる。

塾業界で初の「サウナ手当」導入 ポラリス、社員の健康促進へ福利厚生を拡充

月4回分の利用を補助 “整う”文化で教育の質向上めざす

 個別指導塾「セカンドチャレンジ」などを運営する株式会社ポラリス(神奈川県相模原市、代表取締役・石塚和)は、塾業界で初となる「サウナ手当」を導入した。社員のウェルビーイング(心身の健康と幸福)向上を目的に、月4回までのサウナまたは温泉利用費の一部を会社が負担する。

 教育現場は生徒との関わりが深い分、精神的・肉体的な負担も大きい。ポラリスは「講師のコンディションが教育の質を左右する」として、リフレッシュできる時間を福利厚生として制度化した。今後はサウナをテーマにしたYouTube配信も予定している。

 同社はこれまでも「部活手当」「出産手当」「家族の塾代半額」など、働く環境の改善に力を入れてきた。サウナ手当はその延長線上にあり、社員が“整う”ことで仕事への前向きさが高まり、結果的に子どもたちへの指導の質向上につながると見込む。

 ポラリスは「社員の健やかな状態が、教育の循環を良くする」として、今後もウェルビーイング重視の制度づくりを進めていく方針だ。

塾エイド、「販促パートナー」提供開始

塾の集客課題を伴走型で支援、問い合わせ最大化へ

 学習塾ボランタリーチェーン「塾エイド」(運営:株式会社インサイト・ジャパン)は11月21日、塾の販促活動を全面的に支援する新サービス「販促パートナー」を正式にリリースした。問い合わせ数の伸び悩みや販促計画不足など、塾経営の共通課題に対し、伴走型で改善を図る。

■ 背景:半数以上の塾が「販促計画・効果検証ができていない」

 塾エイドが実施したアンケートでは、**「販促が計画立てて行えていない」「差別化ができていない」との回答が過半数を占め、「効果検証ができていない」**は7割を超えた。多くの塾で販促ノウハウが不足し、人手不足により取り組みが後回しになっている実態が明らかになった。

 塾エイドはこれまで、ボランタリーチェーンとして「情報の集約」と「仕入の集約」を提供してきたが、これらの課題に対応するため、新たに販促支援サービスを立ち上げた。

■ サービス概要:販促計画から実施、検証までをワンストップで支援

 「販促パートナー」は、塾の繁忙期に合わせて準備 → 実施 → 効果検証 → 改善までを一貫してサポート。塾側は教育業務に集中できるようになる。

〈主な提供内容〉
初期支援

  • 現状調査(問い合わせ・契約数、学区や競合分析)
  • 塾の強み整理、ターゲット設定
  • 販促計画・予算表の作成
  • 問い合わせ導線の改善
  • 各種販促施策の実施手配

月次支援

  • 塾との定例ミーティング
  • 施策進捗の管理と改善
  • 効果測定と次期計画への反映
  • 予算・リソース配分の最適化

〈実施施策例〉
ポスティング、DM、HPやGBP改善、キャンペーン運用、LINE広告、MEO対策、LINE公式の運用改善など。